2026年10月7日、東京ビッグサイトで「日本推し活大賞2026」の表彰式が開催されました。10月7日から9日まで開催されている「推し活EXPO」の併催イベントです。
公式ページによると、このアワードは各ジャンルで「最も推し活文化の普及に貢献した方」を表彰するものです。男性アイドル、女性アイドル、タレント、キャラクター、VTuber、政治部門など、複数の部門が用意されています。
私はアイドルライブに通い、コールを入れたり、写真を撮ったり、ライブの現場で起きていることを書いたりしてきました。だから今回のアワードは、単に有名な人を並べたニュースというより、「推す」という行動がどんな形で広がっているのかを考えるきっかけとして見ました。
受賞者や部門は、公式ページの掲載内容をもとに紹介します。公開後にページの内容が変更される可能性もあるため、最新情報は公式ページをご確認ください。
受賞者と部門
公式ページに掲載されている受賞者と部門をまとめました。
| 部門 | 受賞者 |
|---|---|
| 男性アイドル部門 | 中島健人さん |
| タレント部門 | 中川翔子さん |
| キャラクター部門 | ポムポムプリン |
| VTuber部門 | キズナアイさん |
| 女性アイドル部門 | AKB48 |
| 政治部門 | 小野田紀美さん |
女性アイドル部門ではAKB48が受賞し、表彰式には倉野尾成美さん、佐藤綺星さん、八木愛月さん、伊藤百花さんの4人が出席しました。公式ページには倉野尾成美さんのコメントが掲載されています。
ここで大事なのは、受賞者を見て「自分の推しが入っているか」だけを確認することではないと思います。推し活という言葉が、アイドルやキャラクターを応援する活動だけでなく、音楽、配信、政治、イベント、グッズ、SNSなどを含む広い文化として扱われていることが分かります。
推し活は、推される側だけでなく応援する側もつくっている
ライブ会場に行くと、ステージに立つ人だけでライブが成立しているわけではないと感じます。
出演者、主催者、スタッフ、会場、音響や照明の担当者、物販のスタッフ、そして客席にいるファン。それぞれの役割が重なって、その日の空気ができます。コールを入れる人、ペンライトを振る人、静かに見守る人、写真を撮る人にも、それぞれの楽しみ方があります。
もちろん、楽しみ方には会場や主催者のルールがあります。大きな声を出してよい場所でも、周囲の人の観覧を妨げてよいわけではありません。撮影が許可されている公演でも、撮影可能な時間、場所、機材、投稿方法は公演ごとに違います。
「推し活だから何をしてもよい」ではなく、ルールを確認し、その場にいる人が一緒に楽しめるようにすることも、推し活文化を続けるための大切な要素です。
また、推し活はライブ会場でだけ行われるものではありません。
普段のSNSでのアイドルや運営からの発信に対し、ポジティブで嬉しくなるような返信をしたり拡散に協力したり、そういった形での応援は離れていても可能です。
直接のリプライではなくても本人たちが自分のSNSを見てくれるかもしれないと想像して、見た時に嬉しくなるような感想や愛情表現を書き残しておくことはとても大切です。
それを見た推しメンが「これからも頑張ろう」と思ってくれたらうれしい。そう考えると、推し活は一方通行の応援ではなく、推しメンとの距離を少しずつ近づけていくプロセスにもなるのだと思います。
私が現場で意識していること
私はライブへ行く前に、まず公式の告知を確認します。出演者の公式サイト、主催者の告知、会場の案内など、複数の場所に注意事項が分かれていることがあるからです。
コールについても、いつも同じ入れ方が正解とは限りません。曲やグループによって定番が違いますし、最近できた現場では、コールがまだ定着していないこともあります。周りの人の様子を見ながら、無理に合わせず、まずは曲を聴くという選択も大切です。
アイドルの呼びかけに応える理由
私は、他にコールを入れる人が誰もいない場合、定番のコールを試しに入れてみて合うかどうか試すことを時々やっています。
アイドル側が曲中のコールを発動しているのを聞いた時も、他の人が言わなくても自分はコールをするようにしています。せっかく勇気を出して発動したアイドルの気持ちを無駄にしたくないからです。
アイドルがコールのあおりや発動をすることを嫌う人もいます。そこはオタクの領分だという感覚も分かります。
ですが、フロアにコールする人が誰もいない状態で、アイドル側からも発動がなければ、基本的にコールは起こりません。
アイドルがコールを発動できるということは、その曲のその場所に、これまで何度もコールを入れてきた人がいたのかもしれません。
もちろん、アイドルが実際にどんな気持ちで発動しているのかは、本人に聞かなければ分かりません。
それでも私は、その声を聞くと、これまでその現場でコールを入れてきた人たちの姿を思い浮かべます。いつも来てくれているけれど、その日はたまたま来られなかった人なのか、もう現場に来なくなった人なのかは分かりません。
ただ、そのコールを聞くと、誰かが声を出し、周りの人が受け継いできたのかもしれないと想像します。私はそこに、現場の積み重ねを感じます。
一番と二番でつながったチキパMIX
あるグループのライブで、誰も入れていないコールを試しに入れてみて曲の尺にぴったり合ったということがありました。
そして、しばらく経ってからまた対バンでそのグループのライブを見た時に、私が以前入れたものと同じコールが、別の日のライブでも使われていました。
わんだふるぱれーど!というグループの「ぱーふぇくとわんだらー」という楽曲です。
その後、2026年9月8日にわんだふるぱれーど!の公式YouTubeチャンネルで公開されたライブ映像でも、この曲に同じ流れのコールが入っていることを確認しました。 https://www.youtube.com/embed/w2FeCiMcLS0
ただし、公開されている映像が1本確認できたからといって、私が入れたコールがきっかけで定着したと断定することはできません。
すでに別の人が同じコールを入れていた可能性もあります。それでも、以前自分が入れたものと同じ流れのコールを、後日の公式ライブ映像で聞けたことは、とても嬉しい出来事でした。
この時入れたコールはチキパMIXで、しかもそのまま入れたのではなく、一番と二番に分けて入れました。
チキパMIXのフレーズは以下の通りです。
ライオン トラ チーター
ラタラタ ラトラーター
サイ ゴリラ ゾウ
サゴーゾ サゴーゾ
当時の様子は以下のような状況でした。
一番の曲中で途中少し歌が途切れる部分があったので、こういう時はチキパMIXだなと思って入れていました。
ラトラーターの後にまた歌唱が始まったのでそこでいったん切りました。
そして二番の同じ個所でもまた歌が途切れたので、サイ ゴリラ ゾウと切った部分の続きからを入れたらぴったり合ったのです。
一番と二番で同じコールを繰り返すのではなく、曲全体を通して一つのMIXになるように、二番では続きから入れることにしました。結果として曲全体を通して完成するコールという形を作れました。
すでにそのコールを誰かが入れていて、たまたま私が打った日にはいなかったというだけかもしれません。それでも、同じ感性を持つ人が同じ場所に同じコールを入れたという事実だけでも私としてはとても嬉しいことです。
もしも私のコールを聞いていたフロアの誰か、もしくはアイドルたち自身が、そのコールを気に入って繋いでくれていたとしたら、これほど光栄なことはありません。
コールをする。フロアを盛り上げる。そこには、その瞬間だけでは終わらないドラマがあるのだと思います。
推し活を「消費」だけで終わらせないために
推し活には、チケット代や交通費、グッズ代などのお金がかかります。けれど、推し活の価値は、使った金額だけでは決まりません。
ライブの感想を書く。撮った写真を投稿・拡散する。初めて来た人にコールを教える。会場のルールを分かりやすく伝える。公式の発表を確認して、誤った情報を広げない。
こうした行動も、推しを応援する方法の一つです。私が記事を書いているのも、自分が楽しかった現場の記録を残すだけでなく、次に行く人が少し安心して参加できるようにしたいからです。
日本推し活大賞2026の受賞者を見ていると、推し活は「推される人」だけがつくるものではなく、応援する人、伝える人、場を守る人が一緒につくっている文化だと感じます。
私はこれからも、現場の熱量を大切にしながら、ルールと周囲への配慮も忘れずに、推し活の記事を書いていきます。





