EOS Kiss X10iで撮っていた頃の設定は、APS-C編でまとめました。 →【EOS Kiss X10iでライブ撮影(APS-C編)】

この記事はその続きです。フルサイズのEOS 5D Mark IVに換えてから、私がライブと特典会で使っている設定を紹介します。

設定の数字そのものより、「なぜその数字にしているのか」を中心に書きました。

特に、AIサーボからワンショットAFに変えた理由は、同じように動きの多いライブを撮る人の参考になると思います。

使っている機材

用途機材
カメラCanon EOS 5D Mark IV(フルサイズ)+バッテリーグリップ BG-E20
ライブ(メイン)SIGMA 60-600mm F4.5-6.3 DG OS HSM Sports
ライブ(照明を活かしたい箱)Canon EF70-300mm F4-5.6L IS USM+ブラックミスト
ライブ(距離があって明るくキラキラ撮りたいとき)Canon EF135mm F2L USM+クロスフィルター
特典会Canon EF50mm F1.8 STM
推しカメラ(動画)マイク SmallRig Forevala S20

機材ごとの詳しい紹介は、使用機材一覧の記事にまとめています。 →【ライブアイドル現場の使用機材・持ち物一覧】

60-600mmは「どこからでも撮れる」ために買った

60-600mmは、EXシアター六本木の真ん中や、SELENE b2の最後方からでも撮れるようにと思って買ったレンズです。

通っていた頃は最前から撮ることが多く、最近たまに行くときは最後方から撮ることも多くなりました。

カメラ本体と合わせて約4kgの超重量級のレンズです。
ですが、重さへの対策は特にしていません。

「ライブは筋トレ」が私のカメコ活動の合言葉でした。

常に首から下げて、レンズの前の方を左手で持ち、ズームはリングをひねるのではなく、レンズを直接前後に動かして伸ばしてズームしています。

70-300mmと135mmはフィルターで使い分け

70-300mmにはブラックミストを付けています。照明をいい感じに写したい箱では、このレンズを使うことがあります。

135mmには持っているクロスフィルターがちょうど合う径です。最前エリアを取らずにある程度の距離があり、照明をキラキラさせてふんわり明るく撮りたいときは135mmを使います。

ステップアップリングでクロスフィルターを70-300mmに付けて、いろいろな距離で撮れるようにすることもあります。

ブラックミストの作例

GOTANDA G3でembellir(あんべりー)の水野ひなた(みずのひなた)ちゃんをEOS 5D Mark IVとEF70-300mm(78mm)にブラックミストを付けて縦位置で撮ったライブ写真。左上のスポットライトの光がふんわりとにじみ、白い衣装のファーもやわらかく光っている。1/250、F4.0、ISO 2500。
箱レンズ(焦点距離)SSF値ISO
GOTANDA G3EF70-300mm L(78mm)+ブラックミスト1/250F4.02500

スポットライトが画面に入ると、光の周りがふんわりとにじみます。白い衣装のファーも、硬く白飛びせず、やわらかく光って写ります。照明の雰囲気ごと残したいときに、ブラックミストを付けた70-300mmを選んでいます。

クロスフィルターの作例

中野坂上S.U.B Tokyoでembellir(あんべりー)の水野ひなた(みずのひなた)ちゃんをEOS 5D Mark IVとEF70-300mm(120mm)にクロスフィルターを付けて縦位置で撮ったライブ写真。赤いLEDスクリーンを背景に片足を上げて指差しポーズをし、マイクで光が星形に輝いている。1/200、F4.5、ISO 3200。
箱レンズ(焦点距離)SSF値ISO
中野坂上 S.U.B TokyoEF70-300mm L(120mm)+クロスフィルター1/200F4.53200

マイクに当たった光が、星形に輝いて写ります。この写真は、135mm用のクロスフィルターをステップアップリングで70-300mmに付けて撮りました。

基本の設定

項目設定
撮影モードM(マニュアル)
ISO感度オート(上限3200)
シャッタースピード1/250〜1/320が基本
F値その焦点距離で一番小さい値
AF動作ワンショットAF
AFエリアスポット1点AF(縦撮りで顔に合う一番右)
ドライブ連写は使わず1枚ずつ
記録RAW

SSはX10iより上げられる

ISOの上限は、X10iの頃と同じ3200です。それでもフルサイズはセンサー全体で受け取れる光が多いので、同じISO3200でもノイズが目立ちにくくなります。そのため、X10iでは最大1/250くらいだったSSを、5D Mark IVでは1/250〜1/320まで上げられるようになりました。

ホールでもライブハウスでも、だいたい1/250〜1/320で撮ったときの明るさを見ながら調整しています。

同じ箱でも、照明でISOはここまで変わる

撮影時刻レンズ(焦点距離)SSF値ISO
18:52EF70-300mm L(78mm)1/250F4.02500
19:03EF70-300mm L(70mm)1/320F4.01250

同じ日、同じ箱、同じレンズで撮った2枚です。18:52の写真は、ブラックミストの作例と同じ1枚です。照明が正面から当たっている場面では、SSを1/320まで上げても、ISOは1250で足りていました。M+ISOオートにしておくと、SSとF値を決めたあとの明るさは、照明に合わせてカメラが調整してくれます。

遠いときはSSを下げる

ズームして距離が遠くなるほど、選べる一番小さいF値は大きくなります。60-600mmなら、600mm側ではF6.3です。レンズを通る光が減る分、SSを下げて明るさを確保することがあります。

撮影時刻レンズ(焦点距離)SSF値ISO
19:12EF70-300mm L(78mm)1/250F4.03200
19:17EF70-300mm L(146mm)1/250F4.53200

78mmではF4.0でしたが、146mmまでズームするとF4.5になっています。どちらもISOは上限の3200に届いていて、この箱ではSS 1/250が明るさのぎりぎりでした。これ以上暗い場面や、さらにズームする場面では、SSを下げることになります。

背景にモニターがある箱ではSSを50の倍数に

ステージの背景にスクリーンモニターがある箱では、電源の周波数の関係で、写真にチラつき(フリッカー)が出ることがあります。そういう箱では、SSを1/200や1/250のように50の倍数にしています。

撮影時刻レンズ(焦点距離)SSF値ISO
18:12:41EF70-300mm L(120mm)1/200F4.53200
18:12:43EF70-300mm L(120mm)1/200F4.51250

S.U.B Tokyoは、ステージの背景に大きなLEDスクリーンがある箱です。この日はSSを1/200にしています。

2秒違いで、設定も焦点距離も同じ2枚ですが、ISOは3200と1250です。スクリーンの映像や照明は一瞬で切り替わるので、ISOオートが明るさを合わせてくれるのは、こういう箱ではとても助かります。

AIサーボからワンショットAFに変えた理由

5D Mark IVに換えた最初の頃は、X10iと同じくAIサーボAFを使っていました。

考えが変わったのは、淡路島へ動物を撮りに行ったときです。飛んでいる鳥を追いかけながら撮ってみて、AIサーボはこういう一直線の動きにはとても強いと感じました。

でも、アイドルのダンスはそれとは少し違います。直線的に動き続けるのではなく、緩急があって、止まったり動いたりを繰り返します。ライブでは、AIサーボで追い切れていないと感じることが増えていきました。

もともと私は、振り付けのキメの部分を押さえて、そこでシャッターを切る撮り方をしていました。AFで追いかけ続けても、シャッターを切るのは一瞬です。それなら、カメラの性能に任せてだらだら追いかけるより、キメの一瞬にピントを合わせてそこで撮れれば同じではないか。そう考えて、ワンショットAFに変えました。

ある種の背水の陣です。連写も使わず、1枚ずつピントを合わせて撮っています。

スポット1点AFを一番右に置く理由

AFエリアはスポット1点AFにして、AFフレームを一番右に置いています。

バッテリーグリップのBG-E20を付けて縦に構えると、横位置での「一番右」が、縦位置では画面の上の方になります。ここが、ステージに立つメンバーの顔の位置にちょうど合います。

横で撮るときも一番右のままにするか、その都度AFフレームを動かしています。すぐ変えられるように、INFOボタンでデフォルト表示する画面をフォーカス設定にしてあります。

中野坂上S.U.B Tokyoで、EOS 5D Mark IVとSIGMA 60-600mm(92mm)でembellir(あんべりー)水野ひなた(みずのひなた)ちゃんを縦位置に撮ったライブ写真。ファインダー表示を模した帯に、シャッタースピード1/250、F5.0、ISO 3200と表示され、顔の位置にAF枠がある。
箱レンズ(焦点距離)SSF値ISO
中野坂上 S.U.B TokyoSIGMA 60-600mm(92mm)1/250F5.03200

縦位置で構えると、一番右に置いたAFフレームがちょうど顔の位置に来ます。
この1枚も、AFフレームを顔に合わせて撮っています。

この画像のフォーカスエリアやグリッド線、数値などは私が後付けで作ったフレームですが、画面右端に表示されている数値は実際の撮影時の設定と合わせてあります。

ファインダー越しにはこんな感じに見えているというイメージ画像です。

特典会の設定

項目ソロツーショット
レンズEF50mm F1.8 STMEF50mm F1.8 STM
距離1〜2mくらい1〜2mくらい
SS1/60〜1/100(会場の明るさ次第)1/60〜1/100(会場の明るさ次第)
F値F2.8〜3.2くらいF3.5くらい
AF顔の位置推しメンの顔の辺り(右か左のやや上)

特典会では基本的に被写体が止まってくれるので、ライブよりSSを下げられます。

ツーショットでは、AFフレームを推しメンの顔の辺りになるよう右か左のやや上にしてから、スタッフさんにカメラを渡しています。並んだ2人の顔にピントを合わせたいので、ソロのときより少しF値を大きくしています。

推しカメラ(動画)の設定

推しカメラを撮るときは、マイクを付けて縦で撮ることもあります。

項目設定
マイクSmallRig Forevala S20(現在は在庫切れのようです)
解像度フルHD
フレームレート29.97fps
シャッタースピード1/250や1/200が多い(フリッカー対策)
AFライブ1点AF(画面の右側に置き、縦で撮ると顔に合う位置)

マイクのForevala S20は、別の電源がいらず、カメラのマイク端子につなぐだけで使えます。カメラ2台分で2つ買いました。

撮ったあと|RAWで撮ってカメラ内現像から

写真はRAWで保存しています。カメラ内現像で明るさだけ好みに合わせてから、PC経由でスマホに転送し、現像ソフトやレタッチに回しています。 →【Luminar Neoのレビュー(レタッチ)】

作例まとめ

この記事で紹介した写真の設定を、一覧にまとめました。

箱撮影日レンズ(焦点距離)SSF値ISO紹介した見出し
GOTANDA G42025/11/3EF70-300mm L(78mm)1/250F4.03200遠いときはSSを下げる
GOTANDA G42025/11/3EF70-300mm L(146mm)1/250F4.53200遠いときはSSを下げる
GOTANDA G32025/12/25EF70-300mm L(78mm)1/250F4.02500ブラックミストの作例
GOTANDA G32025/12/25EF70-300mm L(70mm)1/320F4.01250照明でISOが変わる
中野坂上 S.U.B Tokyo2026/3/15EF70-300mm L(120mm)1/200F4.53200クロスフィルターの作例
中野坂上 S.U.B Tokyo2026/3/15EF70-300mm L(120mm)1/200F4.51250モニターがある箱
中野坂上 S.U.B Tokyo2026/3/28SIGMA 60-600mm(92mm)1/250F5.03200スポット1点AF

すべてM(マニュアル)+ISOオート、ワンショットAF、縦位置で撮っています。

※設定値は、レタッチ前の元データのEXIFから記載しています。掲載している写真は、明るさや色をレタッチした後のものです。

まとめ

5D Mark IVに換えて一番変わったことは、やはり色の表現が鮮やかになった事です。
一緒にカメコをやっていた友人が私がアップする写真が明らかに以前とは違うと驚き、そこから数日もしないうちに自分でもフルサイズ機を買って撮り始めていました。

普段から写真を撮り、見ている人には一目瞭然というくらい、撮れる絵が変わってきます。

X10iで撮り始めた人が、次にフルサイズを考えるときの参考になればうれしいです。キットレンズで撮っていた頃の設定は、APS-C編にまとめています。

→【EOS Kiss X10iでライブ撮影(APS-C編)】
→【ライブアイドル現場の使用機材・持ち物一覧】